かねてより合併に向けた調整を続けていたアメリカの移動体通信キャリア第3位と4位のT-Mobile USとSprintですが、この合併を機に売却される見込みであるプリペイド部門のBoost Mobileの買収にAmazonが関心を示しているとの報道がでています。
T-MobileとSprintの合併、ようやく実現へ
ソフトバンクグループの孫正義さんがかねてより目指していた両者の経営統合がようやく実現に向けて動き出したのが2018年の上半期のこと。合併後の新会社(T-Mobile)はドイツテレコムが筆頭株主となり、ソフトバンクグループの連結対象から外れる予定となるなど孫正義さんが当初描いていた形とは異なるものの、5G時代のモバイル通信事業の成長に向けて大きな決断を下したことは日本でも大きく報道されました。
FCCによる合併承認へ
米連邦通信委員会(FCC: Federal Communications Commission)のアジット・パイ委員長は5月20日にTモバイルとスプリントの合併を承認する意向を表明し、その際にSprintのプリペイド事業であるBoost Mobileの売却を条件として挙げました。
司法省による承認条件は「新たな競合を創ること」か
もう一つの規制当局である米司法省(DOJ: Department of Justice)は反トラスト法(日本における独占禁止法)の観点から依然として厳しい姿勢を取っているとされてきましたが、つい先日Bloombergが以下のような報道をしています。まだ確定的な発表はでていないものの、司法省と両社の間で承認に向けた交渉・調整が続いているものと見られています。
(ブルームバーグの記事の埋め込みができなかったため、同記事を引用しているCnetとThe Vergeの記事を貼りました。)
アマゾン、プリペイド事業へ参入か
先述の通りスプリントとTモバイルの合併にあたり、スプリント傘下のプリペイド携帯電話部門であるBoost Mobileが売却される見通しであり、チャーター・コミュニケーションズやコムキャストが名乗りを上げていると報道されてきましたが、新たにアマゾンがBoost Mobileの買収に興味を示しているとの報道がBloombergよりなされています。
T-Mobile USとSprintの合併の最終的な承認がいつ下りるのか不明ですが、承認と共にAmazonによるモバイル通信事業参入の発表があるかもしれません。(それにしてもBloombergのNabila Ahmedという記者の方、素敵です。)
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