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まだ座って仕事しているの?3か月スタンディングデスクを続けて分かったメリットをサクッとまとめてみた

立ったまま仕事をする「スタンディング・デスク」というスタイルは日本の企業ではまだまだ浸透していない印象を受けます。私は3か月ほど前に仕事のスタイルをスタンディングに切り替え、いまでは業務時間のほぼ100%をスタンディングで過ごしています。この記事では、ワークスタイルに関する統計情報と、私なりのスタンディングデスクのおすすめポイントを書いていきます。

欧州ではEU指令により昇降式デスクが当たり前

世界的にスタンディング・デスクが最も普及しているのはヨーロッパで、その中でもデンマークスウェーデンではオフィスワーカーの90%以上が高さ調整の可能な昇降式デスクを利用しているとの統計情報も出ています。

これには背景があり、欧州では1993年に制定されたEU指令(Directive)の「90/270/EEC」により昇降式デスク(sit-stand desk, adjustable desk)の導入が奨励されている為です。また、英BBCによるとデンマークではこのEU指令をもとに2014年に法律を制定し、企業の昇降式デスクの導入を義務付けています。

日本ではスタンディング・デスクというと何か真新しい奇抜な印象を抱く方がまだまだ多いですが、グローバルで見れば別に新しいものではなく「パソコン仕事は座ってするもの」なんてのは、ただの思い込みという訳ですね。

座りすぎることは身体に害である

これは既に日本のメディアでも広く取り上げられていることであり、日本語のリソースも容易にリーチできますので私の方で事細かくまとめることはしませんが、「座りすぎ」が健康に悪影響であることは様々な研究データから確からしいとされています。気になる方は是非調べてみてください。無論、こうしたデータをどこまで信じるべきかという話も忘れてはならず、私は参考程度にしか捉えていません。

 

「座りすぎ」に警鐘を鳴らすプレゼンテーションとして有名なのは、Thinkers50の「世界で最も影響力のあるビジネス思想家」にも選出されたスタンフォード大学講師のニロファー・マーチャント氏がTEDで行った「ミーティングは歩きながら(GOT A MEETING? TAKE A WALK)」というプレゼンテーションです。

日本はスタンディングデスク後進国

日本におけるスタンディングデスクの普及率・浸透率に関する調査データを探してみたのですが、残念ながら厚生労働省など政府機関による調査データは見つけられませんでした。ご存知の方いらっしゃれば教えていただけると幸いです。以下のサイトはオフィスの賃貸借の仲介を行うビルディンググループが行ったとされるアンケートなのですが「職場にスタンディングデスクは導入されているか?」という問いに対して「導入されている」と回答したのはわずか7%だったようです。詳細はリンク先のページをご参照ください。

キヤノン電子では2000年から椅子をなくしている

スタンディングデスクというと「日本ではIT企業やベンチャー企業がやるもの」というイメージをどこか抱いている方もいらっしゃるようですが、そんなことはありません。キヤノン電子では「スタンディングデスク」という言葉が広まるよりも遥か前から生産性向上などを目的に椅子を撤廃しています。経営関連の情報を集めている方は目にしたこともあるでしょう。日本ではまだ珍しい取り組みでしたので、当時は批判も大いにあったようです。私は学生時代に就職活動で業界分析・企業分析をしている際に下記の本を読んで知りました。書いてある内容の一部は時代に合わないものもありますが、目を通しておいて損はない本かと思います。

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実際にやって分かったスタンディングデスクのメリット

冒頭でも触れたように、私は3か月間ほどスタンディングデスクを続けています。はじめは「基本は座って仕事。眠気を感じたり気分転換したいときだけ立って仕事をする。」というスタイルを取っていたのですが、いまとなっては「基本は立って仕事。座るのは昼食時と、部下のパソコンの画面を見ながら少し長め(10分程度)の議論をするとき程度。」になりました。なお、スタンディングデスクと言っても昇降式のデスクなど新たな設備は導入しておらず元々あったちょうど良い高さの本棚があり、その天板のスペースを利用しています。

筆者のスタンディングデスク環境。本棚の上にパソコンやディスプレイを載せている。

スタンディングデスクを実際に取り入れて実感した効果は以下の通り。

  • サッと移動できる: 当たり前ですが、誰かのところに移動するときにサッと移動できます。「そんなことまで気にしなくても・・・」とか思われそうですが、私の場合、スタンディングを取り入れたことで「椅子から立ち上がる動作はムダな労力と時間を費やしている」と思うようになりました。これは席に戻ったときも同様です。
  • 眠気対策になる: これも言わずもがなですね。姿勢が半強制的に眠気を打ち負かしてくれます。うちはシエスタを認めているので「寝たほうが効率上がるな」というときは仮眠を取ることも稀にありますが、ほぼシエスタを必要とするような状況にはなりません。
  • 腰痛が軽減される: これは元々使っていた椅子が身体に合っていなかっただけかもしれません。ただ、座りっぱなしの姿勢よりは身体を動かしやすいので、身体が凝り固まりにくいと思います。

作業そのものの効率が上がるかどうかは正直わかりませんが、上記のような効果の副次効果として、結果として生産性・アウトプットが向上するとは言えるかと思います。

スタンディングって疲れないの?

と社員に言われたことが何度もあります。答えは「意外とそんなに疲れない」です。もちろん足はある程度張ります。そりゃそうです。その代わり、これは個々人にもよるかと思いますが、首・肩などの疲労はさほど感じません

百聞は一見にしかず。試すべし

欧州におけるスタンディングデスクの普及状況や、私なりの考えをまとめさせて頂きました。人によって合う・合わないが分かれるかと思いますので、まだスタンディングデスクを取り入れたことがない方は一度試してみることをオススメします

 

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