トラック運転手よ、さらば
かつてトラック運転手は「体力的にキツい分、給料が良い」職業だったそうで、私の知り合いにも何人かトラックのドライバーだった方がいます。科学技術の発達とともに自動運転が現実のものとなり、今となっては「なくなる職業」ランキングの代表格の一つです。スウェーデンでは運転席が無い自動運転トラックの行動試験が開始されました。
ストックホルムに本拠地を置くEinride(アインライド)社は2016年に設立された運送会社でT-pod, T-logと名付けたレベル4自動運転かつ電気自動車のトラックおよび木材運搬車を開発しています。そしてこの5月半ばから大手物流会社のDB Schenkera社や移動体通信事業者のTelia社との協業により、短距離・低速という制約はあるものの公道での試験運用が開始されました。
5Gによって支えられる遠隔自動運転
このT-podは5Gネットワークで高度に監視されており、いざとなれば遠隔地のオペレーションセンターからリモートでトラックを制御することが可能だとされています。なお、5Gネットワークが自動運転においていかに重要かは以下の記事で触れておりますので併せてご覧いただければと思います。
アメリカの自動運転トラック事情
ちなみに米国での自動運転トラック事情について軽く触れておくと、Uberが買収したOTTOが他社に先行する形で2016年に事業を開始していましたが、Waymoとの特許を巡る紛争(和解済み)やUberの死亡事故の影響もあり2018年7月末をもって同事業を終了させています。
現在は(あくまでもメーカーという立場になりますが)テスラ・モーターズのTesla Semiとニコラ・モーターのNikola Twoが注目株という印象です。現時点では「自動運転」よりも「電気自動車(あるいは水素燃料電池車)」という点を訴求しているようですが、自動運転が商用レベルに達するのも時間の問題でしょう。
日本においても同様の波が訪れるのは自明です。法整備や移行計画などの課題はあれど、この先10年で今のようなトラックドライバーはほぼ居なくなるでしょう。よりスマートな社会の到来が待ち遠しいです。