SpaceXの「Starlink」胎動
SpaceX社は12,000機の通信衛星によって地球全体をカバーするインターネット衛星コンステレーション計画「Starlink」を掲げ、2018年2月にテスト用の衛星「Tintin A」「Tintin B」を打ち上げ済みであり、今年(2019年)の5月から本格的な衛星の打ち上げが開始される予定でしたが、アップデートが入ったようです。
衛星コンステレーションによるインターネットサービス提供については以下の記事で纏めておりますのでご興味があれば併せてご覧ください。
数十基の衛星を一度に打ち上げる
SpaceX社のグウィン・ショットウェル社長兼最高執行責任者(COO)は人工衛星関連のカンファレンスであるSatellite 2019の場で「5月15日※に数十機の人工衛星を打ち上げる」発表をしたという旨の報道がなされています。※現地時間
この報道によると、Starlink計画のための通信衛星の打ち上げを今年中に(今回とは別に)2回~6回程度想定しており、今回の打ち上げ成果によって計画が左右されるとのこと(そりゃそうだ)。
また、今回打ち上げられるのは(商用版を)スケールダウンしたデモ用の物であり、人工衛星間の相互接続機能(intersatellite link)は省かれているようです。
なお、今回の打ち上げは当初「5月初旬」に行われる想定でしたが、先日行われた国際宇宙ステーションへの物資輸送ミッションCRS-17が遅れた影響で後ろ倒しされたようです。
SpaceX社はStarlink計画のための打ち上げを除き、18回~21回の打ち上げを目論んでおり、これは直近2年の打ち上げ実績のレンジにちょうど当てはまります。(2017年:18回、2018年:21回)Starlink計画による打ち上げを含めると、実績回数が更新される可能性が増えるわけですね。
ショットウェル氏は「SpaceXは(結果としてまだ起きてはいないが)打ち上げブームの到来を見越してロケットの製造能力を年間40機まで拡大済みである」旨の発言もされたそうで、少なくとも製造能力に関しては盤石な様です。
SpaceX社のニュースはいつもワクワクさせられます。
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