BIZ ACES | 携帯キャリアと外資系コンサル出身の地方移住者によるテック系雑記帳『ビズエーセス』

モバイル業界、宇宙ビジネス、自動運転などの最新動向。海外リソースを活用し、ニュースアプリでは手に入らない情報もお届けしています。

BIZ ACES - 携帯キャリアと外資系コンサル出身の地方移住者による雑記帳

MITメディアラボの「サイボーグ植物学」が国際学会ACM CHI 2019にてGolden Mouseアワードを受賞

植物が魔法を奏でる

植物をセンサー、ディスプレイ、アクチュエータにしてしまう、そんな興味深い取り組みをMITメディアラボは行っているようです。百聞は一見に如かず、こちらの動画をご覧頂くのが分かりやすいです。

 

これ、植物の外に電子部品を取り付けているわけではありません。詳細な仕組みは分からないのが正直なところですが、植物の中にPRODOTと呼ばれる水溶性のポリマーを流し込み導電チャネルを形成する事でワイヤを介して植物からコンピュータに植物が捉えた反応情報を受信したり、コンピュータから植物に対して命令を送ることを実現しているようです。

 

動画の中では植物をセンサにしてLeap Motionの様な入力インターフェースにしたり、ネコが逃げ出したことを検知して通知する様なセンサにする応用例が紹介されていました。

MITメディアラボ映像より

また恋人同士のコミュニケーションデバイスにも。

MITメディアラボ映像より

ドコモも過去にこんなことをやっていた

愛する人とのコミュニケーションデバイスとしてこうした一風変わったものとしては、2010年にドコモが発表した「体温ハート」というものがありまして、それを思い出しました。 

ノンバーバルコミュニケーションシステム「体温ハート」の開発 | 企業情報 | NTTドコモ

“感じる”コミュニケーションなど、ドコモがCEATEC展示内容公開 - ケータイ Watch

国際学会ACM CHIにてGolden Mouseアワードを受賞

さてこのMITメディアラボの「Cyborg Botany」ですが、ACM(コンピュータサイエンスの国際学会)にある人間とコンピュータのインターフェース(CHI: Computer Human Interface)に関する分科会CHI 2019にてGolden Mouseアワードを受賞したようです。

 

ACM CHI 2019のページにはMITメディアラボの「Cyborg Botany」の他にも興味深い成果が発表されており、以下のプレイリストから見ることができます。個人的には1つ目の "Digital Fabrication of Soft Actuated Objects by Machine Knitting" は今すぐにでもインテリアや雑貨で使ってみたい技術です。

MITメディアラボといえば所長を伊藤穰一さん(Joi Ito)、副所長を石井裕さんが務められる世界最先端の研究所。ぜひお二方にお会いしてみたいものです。