電動航空機の時代、まもなく到来か
世界的に自動車のEVシフトが鮮明になりつつありますが、次の20年では航空機の世界にもゼロ・エミッション化の流れが来そうです。航空業界は温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みをこれまでも行ってきましたが、航空機に対する旅客・輸送需要は今後も世界規模で伸び続けると予想されてています。なお、航空機由来のCO2排出量の推移についてはJAXAのこちらのページによく纏められています。
こうした背景を受けてアメリカ航空宇宙局(NASA)はイリノイ大学の科学者から成る研究チームに3年間を掛けて600万ドル(約6億6000万円)を投じて極低音液体水素を燃料に利用した電動航空機の研究開発に乗り出すと報じられています。
CHEETA(チータ)と名付けられた開発対象のシステムは"Cryogenic High-Efficiency Electrical Technologies for Aircraft"の略であり、日本語に訳すと「航空機用極低温高効率電動技術」といったところでしょうか。より適切な訳があればご指摘いただけると幸いです。
上述したphys.orgの記事内にコンセプトスケッチの画があるのですが、航空機の翼の部分に極低温状態で液体水素を貯蔵するストレージを並べ、燃料セルを介して超電導モーターに電力を供給しファンを回転させるといった流れのようです。
もし仮にこうした技術が実現された場合、ゼロ・エミッション以外にも効果がありそうですね。ファンの設計次第ですが、もしかしたら騒音をかなり抑えられるかも知れませんし、離着陸に要する移動距離も効率化できるかも知れません。自動車業界で起きているような大転換が航空業界で起こるのもそう遠い未来の話ではないかも知れません。
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