昨年頃から日本のメディアでも取り上げられる機会が増えてきた遺伝子編集技術CRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)。法整備や倫理面など外部環境の課題はまだあるものの、技術としては研究の対象からビジネスの対象になりつつあります。この分野に、いよいよGoogleが足を踏み入れてきました。
そもそもCRISPR/Cas9とは
CRISPR/Cas9については、カリフォルニア大学バークレー校の教授であり本技術の研究・開発の第一人者であジェニファー・ダウドナ氏によるTEDの素晴らしいスピーチがありますのでそちらをご覧いただければと思います。英語音声ですが、右下の「吹き出し」アイコンから日本語字幕を表示することが可能です。
ジェニファー・ダウドナ氏の著書は和訳されていますのでこちらも是非。間違いなく今後30年の医療を帰る革命的な技術であり、ノーベル賞最有力候補の技術とも評されています。
CRISPR(クリスパー) 究極の遺伝子編集技術の発見 (文春e-book)
- 作者: ジェニファー・ダウドナ,サミュエル・スターンバーグ
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また、様々なサイエンス・テクノロジー分野のトピックをアニメーションで解説するYouTubeチャンネル「Kurzgesagt - In a Nutshell」による解説動画もオススメです。
Googleも注目するCRISPR
こうしたバイオテクノロジー分野は今後の成長分野として期待されていますが、Googleの親会社Alphabetもこの分野への投資に前向きなようです。
Alphabetの投資部門GVは今月はじめにCRISPRを利用した心臓病予防サービスを手がける「Verve Therapeutics(バーブ・セラピューティクス)」に出資する旨が報道されました。バーブ・セラピューティクスがシリーズAラウンドでGVなど複数の資金提供者から調達した資金は5850万ドル(約64億円)とのこと。
同社が取り組もうとしていることの詳細は今の所明らかになっていませんが、同技術を応用したツールを体内に注射することで心臓病のリスクを格段に抑える事を目指しているとされています。
バイオテクノロジーは様々な背景からトンデモ技術のような目で見られがちですが、一方で社会的に大きな意義がある分野です。5年後には病院での遺伝子治療が当たり前の時代になっているかも知れません。
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ゲノム編集からはじまる新世界 超先端バイオ技術がヒトとビジネスを変える
- 作者: 小林 雅一
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