藤沼です。先日e-Estoniaおよびe-Residencyの申請手続きに関する記事を執筆したのですが、今回は既にe-Residencyを取得された方向けの内容となっています。
おさらい
e-Estoniaとはエストニアの電子国家戦略のことであり、e-Residencyとはその具体的な施策の一つとして外国人向けに提供されているサービス(電子居住権)のことです。これらの前提知識については過去の記事に纏めてありますのでご覧いただければ幸いです。
e-Residencyカードの有効期限延長について
さて、2018年11月にエストニア警察・国境警備隊(The Estonian Police and Border Guard Board: PBGB)は、2018年5月以前に発行されたe-Residencyカードの有効期間を3年から5年に延長する旨のアナウンスを行いました。延長は自動でされるものではなく、手続きが必要です。e-Residencyを取得された際に登録したメールアドレス宛てにも同様の通達が来ているはずです。なお、2018年5月以降に発行されたカードは初めから有効期限が5年となっており、今回の手続きの対象外のようです。 延長手続きの期限は2019年4月30日とされており滑り込みな記事となってしまうのですが、記事に纏めておきます。
必要なもの
以下の物を手物に用意しましょう。
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e-Residencyカード
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カードリーダ
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PIN1コード
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DigiDoc 4 client ※DigiDoc 3の方はこちらよりアップデート要。
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パスワードマネージャ(あるいはメモ) ※PIN1, PIN2, PUKが更新されるため。
有効期限の延長手続き
手続きは非常にシンプルで、10分程度で完了します。
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e-ResidencyカードをセットしたカードリーダをPCに接続し、DigiDoc 4 clientを起動する。
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有効期限の延長が可能である場合、その旨を示す通知が表示されているため、その欄にある "begin" をクリックする。
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validationが行われる。途中、PIN1の入力を求められるので入力の上で手続きを継続する。
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延長手続きに関する各種注意事項(古い電子署名を用いたデータの復号化など)が表示されるため、内容を確認の上で手続きを進める。
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新たなPIN1, PIN2, PUKが発行されるので控える。
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有効期限延長の処理が継続するが、その間に新たに発行されたPIN1の入力が何度か求められるので応じる。(画像省略)
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処理が完了した旨のダイヤログが表示されたらダイヤログを閉じる。(画像省略)
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DigiDoc 4 clientの"My eID"上で有効期限が延長されたことを確認する。
以上です。 まだ延長手続きを終えていない方は、いますぐ延長しておきましょう。
e-Estoniaをもっと理解するために役立つ本
この記事のお読みの方は既にe-Estoniaについて深く理解されている方かと思いますが、一応、私がe-Estoniaに対する理解を深めるために活用した本を載せておきます。
ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来
- 作者: 小島健志,孫泰蔵
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/12/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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未来型国家エストニアの挑戦 電子政府がひらく世界 (NextPublishing)
- 作者: ラウルアリキヴィ,前田陽二
- 出版社/メーカー: インプレスR&D
- 発売日: 2016/01/29
- メディア: Kindle版
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「未来型国家エストニアの挑戦」はKindle版の価格が手頃なので手を出しやすいです。ただし、画像のレイアウトが電子書籍向きの構成になっていないので若干読みづらいです。